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反問とか反問権  [議会の見かた]

いま読んでいるのは 『地方議会の底力』 野村稔著 (ぎょうせい)です。
著者は全国都道府県議会議長会議事調査部長を務められた方です。

近年流行の「議会改革」や議会批判に対し、きっちりとした論調でコメントされています。

地方自治法と実際の議会運営を踏まえられているので、読んでいてわかりやすいです。

この本の中で、最近話題になっている議会への批判のうち、「質問」に関わる指摘について「本質を指摘していない」と、4つの点を挙げています。

その一つが「長への反問権」です。

「長に反問権を認めることにより議会の議論を活性化させようとの意見がある」と、反問権への疑問を投げかけています。
そもそも「質問」とは、どのような性格のものなのかを説明し、議会側の職員体制の限界についても指摘しています。
さらに議員はどのような姿勢で質問に臨むべきかということも、しっかりと述べられています。

この指摘を読むと、「反問権」にはやはり懐疑的にならざるを得ません。



江別市議会では、議会基本条例の検討を進めてきた議会運営委員会から全議員への説明があった際、議会基本条例に「反問権」を規定した議会でほとんど反問権は活用されていないこと、されたとしてもほとんど質問内容の確認程度のものであること、さらに少数ではあるけれど議員の質問封じのような事例もあるといった説明がされていました。

こうしたことも踏まえ、江別市議会の基本条例では「反問権」とはせず、第8条(質疑及び質問)の第2項で「本会議又は委員会に出席した市長等は、議員から質疑又は質問を受けたときは、その論点を整理するため、議長又は委員長の許可を得て、答弁に必要な範囲で反問し、又はその趣旨を確認することができる。」としました。
どうしても「反問」という言葉を入れることへのこだわりもあったようです。

札幌市の議会基本条例では、第10条(本会議及び委員会の運営)の第3項で「市長等は、議長又は委員長の許可を得て、答弁に必要な範囲内で、議員の質疑等の趣旨を確認するための発言をすることができる。」と、反問という言葉を使わず「発言」としています。

議会用語では、「質疑」とか「質問」のように、似たような言葉でも意味や用法が違うものがあるので、一言一言、しっかり吟味しなければなりません。



ここのところ、議会基本条例に関わる記事を書いてきました。

条例が4月1日施行となり、6月の第二回定例会では条例を反映させた議会運営がされることになり、議会運営委員会ではそれまでに具体化が必要なことの検討を始めることになっていますので、この機会に基本的なことについて説明をしてきました。

より良い議会運営を期待したいと思います。

さて、予算特別委員会で取り上げた内容についてのご報告、少しお休みしてしまいましたが、また書いていきたいと思いますので、懲りずにお付き合いください。(^。^)ゞ

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